本質に迫るー甲賀吉郎

社会や経済の事象を一歩掘り下げて考えるブログ

死亡者数と増加速度で議論ー新型コロナー火葬場崩壊もある

新型コロナとの戦い方の議論で、死亡者の数を明示して意見を噛み合わせる時期に入ったので、頭に入れておくべき数字を大雑把に纏めてみた。”感染対策が緩いままだと大変なことになる”とか”経済死者の数もバカにならない”というレベルを超えた議論が必要である。

 

<日本の死者に関する数字>

年間死亡者数          137万人/年 (人口1億26百万人の約1%)

 

年間自殺者             2万人/年から3万人/年
 内、経済等の問題による自殺者   4千人/年から8千人/年

 

肺炎による死亡者         13万人/年  (含む誤嚥性肺炎)

インフルエンザによる死亡者     1万人/年  (推計値)

 

新型コロナでの死亡者合計     78万人   (人口の60%が感染して集団免疫で感染収束、致死率1%。治療薬ワクチンなし)
新型コロナでの死亡者初年度    26万人/年  (3年で集団免疫として2千5百万人/年が感染する。致死率1%)


<死亡速度>
ニューヨーク           780人/日  (4月10日、処理破綻)
東京の火葬実施数         300人/日  (多摩地区が155人/日から推定、東京の死亡者は12万人/年とも合致) 

 

以上が基礎数値の参考リマインドです。以下少しだけ考察。


経済死者を自殺者とすると、リーマンショック時に1000人/年増加だった。不況時期と好況時期との差は4000人/年である。一方、新型コロナの死亡者数の26万人/年は、感染者2千5百万人/年、致死率1%の数値である。インフルエンザ感染者1千万人/年なので十分有りうる数字で、もしアビガン等がきいて致死率が下がっても新型コロナの死亡者数は数万人/年以上になることは明らかで、経済死者よりは1桁2桁大きい。ただし、長期のパンデミック継続により世界経済が破綻して戻れない場合の餓死や病死(衛生悪化、医療崩壊)する数は、まだ不明である。


新型コロナによる日本の年間死者数の26万人/年は、年間の死亡者の2割増にあたり多くないという見方もできるが、社会は日々の増加速度が高くなると維持が困難になる。感染判明者がベッド数を越える増加を起こすと野戦状態が始まるのが例だが、死亡者出現速度が高くなると火葬場崩壊を起こして、これは戦場状態になる。心理的にも市民生活は破壊される。東京の火葬実施数は近年逼迫状況で

300人/日であるが、人口規模が同じニューヨークでは780人/日となり処理破綻しているようで、東京でも新型コロナの死者が100人/日を越えてくると火葬場崩壊になることが危惧される。

(東京の火葬場(除く島しょ部)は、23区で9か所、多摩地域で9か所の計18か所である。多摩地域の火葬炉は65基で平均7基となる。新型コロナ死者が急増した時に、例えばある火葬場で7基のうち5基はその他通常の死者にあて、2基を新型コロナ死者専用として回転数2倍とする特別運用が考えられる。これにより全体に平均3割程度の処理数増加が見込める。これ以上はおそらく人員的にも処理破綻するのではないか。この3割の増加が100人/日の増加である。データと実情把握が不足の中の、雑駁な推定をお詫びしておく。)